テラ・ドーム天文台 天体写真ギャラリー  

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紫金山・アトラス彗星 2024年10月30日
 2024年10月に地球に接近し、すばらしい姿を見せてくれた紫金山・アトラス彗星ですが、最接近後、晴れた日が少なく、見られない間に遠ざかり、暗くなってしまいました。
 肉眼ではもう見えませんが、テラ・ドームの25cm反射望遠鏡では、画面からはみ出るほどの尾がまだ写っています。
 太陽系の果てへと帰っていく姿を見送りたいと思います。。

 25cm反射望遠鏡 fl=854mm F=3.4 30秒露出を15枚加算合成
 撮影地:テラ・ドーム天文台 撮影者:奥田 亜希子(地球科学館)

2023年9月15日の土星
 9月に入り、土星がスターウォッチングの時間にのぼってくるようになりました。
 今年は昨年よりさらに環が細くなり、環というよりはお団子に串が刺さったように見えますね。
 来年は土星の環が真横を向いて見えなくなる「土星の輪の消失」が15年ぶりに起こります。

 81cm反射望遠鏡カセグレン焦点 fl=12000mm F=15 WEBカメラで撮影しコンポジット
 撮影地:テラ・ドーム天文台 撮影者:高原 摂竜(地球科学館)

金星の満ち欠け(2023年度)
 テラ・ドームの天文台では、1時間ごとに天文台の公開を行っています。晴れた日には、太陽はもちろん、一等星や金星などを見ていただくことができます。
 金星は、太陽の光を受けて光っています。このため、地球と金星の位置によって、月のように満ち欠けをします。また、地球との距離によって、みかけの大きさも変わります。
 金星の満ち欠けのしくみは。イラストをごらんください。
 ・2022年度2021年度2020年度2019年度もごらんください。

 81cm反射望遠鏡カセグレン焦点 fl=12000mm F=15 デジタルカメラで撮影
 撮影地:テラ・ドーム天文台 撮影者:奥田 亜希子・高原 摂竜(地球科学館)

金星の内合(2012年〜2023年)
 地球のひとつ内側を回る金星が、地球から見て太陽の方向に来る瞬間を「合(ごう)」といいます。太陽の向こう側を通るのが「外合」で、太陽の手前を通るのが「内合」です。
 内合の時は太陽に近く、見ることは難しいのですが、テラ・ドームの望遠鏡で自動導入すると意外に見ることができます。(※ 危ないのでよい子はまねしないでください!)
 金星の内合から次の内合までは約584日です。この周期の5回分(2,920日)と、地球の8年(2,922日)がほぼ等しく、8年後にほぼ同じ条件で内合が起こります。
 ただし、金星が太陽の手前を通る「太陽面通過」はとても珍しく、2012年の次は2117年まで起こりません。

 81cm反射望遠鏡カセグレン焦点 fl=12000mm F=15 デジタルカメラで撮影
 撮影地:テラ・ドーム天文台 撮影者:奥田 亜希子・高原 摂竜(地球科学館)

白昼の火星食(2024年5月5日)
 2024年5月5日、火星が月に隠される「火星食」が起こりました。
 火星が月に隠されるのは12時6分ごろ。ちょうど天文台公開の時間にあたるため、テレビ画面に映しながら、動画を撮影しました。
 月がだんだん火星に近づき、火星が隠されると、お客様から拍手があがりました。

 81cm反射望遠鏡カセグレン焦点 fl=12000mm F=15 デジタルカメラの動画から静止画キャプチャー
 撮影地:テラ・ドーム天文台 撮影者:奥田 亜希子(地球科学館)

紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)
 2024年10月に地球に接近し、肉眼で見える明るさになると期待されている紫金山・アトラス彗星が、見やすい位置にあるため、撮影してみました。
 明るさはまだ約10等級ですが、81cm望遠鏡ではぼんやりしたコマと、かすかに伸びる尾を見ることができました。
 5月3日現在、地球からの距離は約1.8天文単位で、火星と木星の間くらいの距離ですが、しっかり尾を伸ばしています。
 地球に近づいてくるのが楽しみですね。

 25cm反射望遠鏡 fl=854mm F=3.4 30秒露出を13枚彗星を基準に加算合成
 撮影地:テラ・ドーム天文台 撮影者:高原 摂竜(地球科学館)

ポン・ブルックス彗星(12P)
 ポン・ブルックス彗星は、2024年4月21日、約70年ぶりに太陽に最も近づきました。日本では夕方の空に見ることができました。
 明るさは約4等級で、肉眼では見えませんでしたが、手持ちの双眼鏡でも見ることができました。
 写真は近日点通過前の3月10日のもので、緑色のコマと青白いイオンテールがきれいですね。

 25cm反射望遠鏡 fl=854mm F=3.4 30秒露出を10枚彗星を基準に加算合成
 撮影地:テラ・ドーム天文台 撮影者:奥田 亜希子(地球科学館)

2023年12月27日の木星
 12月27日夕方に気流が比較的安定していたので木星を撮影しました。
 大赤班がちょうど手前にあり、大赤班の左右でしま模様の濃さがずいぶん違っていますね。
 木製面の右下、ポツンと光って見えているのは木星の手前にある衛星エウロパです。

 81cm反射望遠鏡カセグレン焦点 fl=12000mm F=15 WEBカメラで撮影しコンポジット
 撮影地:テラ・ドーム天文台 撮影者:奥田 亜希子(地球科学館)

土星の輪の衝効果
 2023年の土星は、8月28日が衝(太陽の反対側にやってくる)でした。衝に近い8月25日と、2か月後の11月23日の土星を並べてみました。
 ふたつを見比べてみると、土星の輪の明るさが、8月25日の方が明るく見えます。これは、衝効果といいます。土星の環は細かい粒の集まりで、太陽の光を受けて光っています。斜めから光が当たると粒子の影が奥の粒子に映っているのが見えますが、衝のころは影が粒子の向こうにできて見えなくなるため、環が明るく見えるのです。
 また、11月23日の土星では、向こう側の環に土星本体の影が映っているのがわかりますね。

 81cm反射望遠鏡カセグレン焦点 fl=12000mm F=15 WEBカメラで撮影しコンポジット
 撮影地:テラ・ドーム天文台 撮影者:高原 摂竜(地球科学館)

レモン彗星(C/2023 H2)
 今年4月に見つかったレモン彗星が、地球に接近して明るくなっているので、写真を撮りました。彗星らしい緑色のコマがきれいですね。
 11月11日に地球に最接近した後、13日ごろまで天の川を渡っていくようすが見られます。
 7等台と暗いため、肉眼でその姿を見ることはできません。

 25cm反射望遠鏡 fl=854mm F=3.4 30秒露出を10枚彗星を基準に加算合成
 撮影地:テラ・ドーム天文台 撮影者:高原 摂竜(地球科学館)

2023年8月25日の土星
 8月25日、夜のスターウォッチングの時間内に土星がのぼってくるようになりました。大気も比較的安定していて、土星の姿に皆さんビックリされていました。
 スターウォッチングの片づけをしながら、土星を撮影しました。
 昨年よりさらに環が細くなりました。

 81cm反射望遠鏡カセグレン焦点 fl=12000mm F=15 WEBカメラで撮影しコンポジット
 撮影地:テラ・ドーム天文台 撮影者:高原 摂竜(地球科学館)

M101に現れた超新星2023ixf
 超新星は、太陽よりもずっと重たい星が一生の最期に起こす大爆発で、その明るさは太陽の数億倍になるといわれています。2023年5月19日、おおぐま座の渦巻き銀河M101に超新星が見つかりました。西脇周辺は天気が悪い日が続き、5月31日にやっと晴れたので、月明かりの中撮影しました。銀河中心と同じくらいの明るさで輝いているのがわかりますね。

 81cm反射望遠鏡ニュートン焦点 fl=4,000mm F=5 赤外改造デジタルカメラ ISO1600 30秒露出×16フレームを加算合成
 撮影地:テラ・ドーム天文台 撮影者:高原 摂竜(地球科学館)

ZTF彗星(C/ 2022E3)2023年1月18日
 1月12日に太陽に最も近づき、2月2日の地球接近に向けて明るくなっているZTF彗星を撮影しました。
 緑色のコマと、まっすぐに伸びるイオンテイルが彗星らしい姿ですね。

 15cm屈折望遠鏡 fl=1050mm F=7 60秒露出×3枚コンポジット 撮影地:テラ・ドーム天文台 撮影者:奥田 亜希子(地球科学館)

2022年9月23日の土星
 9月23日、台風15号の影響で、昼間は雨が降ったり止んだりのお天気でした。夕方から少し晴れ間が広がってきて、夜には雲間に土星が見えました。
 風が強かったので、空気の揺らぎの影響が大きそうに思いましたが、望遠鏡を向けてみると、安定してはっきりと見ることができました。
 昨年より輪が細くなり、いちばん土星らしい姿になりました。

 81cm反射望遠鏡カセグレン焦点 fl=12000mm F=15 WEBカメラで撮影しコンポジット
 撮影地:テラ・ドーム天文台 撮影者:奥田 亜希子(地球科学館)

2022年9月23日の木星
 土星を撮影したあと、木星も撮影しました。
 大赤班は裏側にあって見えていませんが、複雑なしま模様がわかります。
 昨年より南側(下)の縞が濃くなり、北側(上)の縞の赤みが薄くなっています。

 81cm反射望遠鏡カセグレン焦点 fl=12000mm F=15 WEBカメラで撮影しコンポジット
 撮影地:テラ・ドーム天文台 撮影者:奥田 亜希子(地球科学館)

2021年11月4日の土星
 2021年は夏に天気が悪い日が多く、なかなか土星のいい画像が撮れないまま秋になってしまいました。
 11月4日の夕方、まだ薄明の中で比較的揺らぎが少ない状態の土星を撮影することができました。
 輪の傾きが少なくなり、土星らしい姿になってきましたね。

 81cm反射望遠鏡カセグレン焦点 fl=12000mm F=15 WEBカメラで撮影しコンポジット
 撮影地:テラ・ドーム天文台 撮影者:奥田 亜希子(地球科学館)

ステファンの5つ子銀河
 ぺガスス座にある有名な銀河の集まりです。5つの銀河が並んでいるように見えますが、実際に近くにあるのは4つで、左下のNGC7320はたまたま同じ方向にあって、ずっと近いところにあります。
 テラ・ドームの81cm望遠鏡のニュートン焦点(焦点距離4,000mm)でも小さくしか写ってくれません。

 81cm反射望遠鏡ニュートン焦点 fl=4,000mm F=5 赤外改造デジタルカメラ ISO800 2分露出×15フレームを加算合成
 撮影地:テラ・ドーム天文台 撮影者:高原 摂竜(地球科学館)

2021年8月25日の木星
 2021年8月25日、久々に大気が安定していたので木星を撮影しました。
 木星の手前を通り抜けたイオが木星に影を落としていました。
 大赤班も見えていますが、ずいぶん小さくなってしまいました。

 81cm反射望遠鏡カセグレン焦点 fl=12000mm F=15 WEBカメラで撮影しコンポジット
 撮影地:テラ・ドーム天文台 撮影者:奥田 亜希子(地球科学館)

はやぶさ2の帰還 2020年12月6日
 小惑星リュウグウの探査を終え、貴重なサンプルを納めたカプセルを切り離し、地球をかすめて飛び去るはやぶさ2を撮影しました。
 切り離されたカプセルは無事にオーストラリアのウーメラ砂漠に着地し、その後5.6グラムのリュウグウのかけらが入っていることが確認されました。
 はやぶさ2は今後新たな目的地、小惑星1998KY26に向けて旅を続けます。

 GIF動画はこちら
  25cm反射望遠鏡 fl=854mm F=3.4 4秒露出を17枚比較明合成
 撮影地:テラ・ドーム天文台 撮影者:高原 摂竜・奥田 亜希子・中川 昴(地球科学館)

活発になってきた太陽
 太陽は11年周期で活発になったり静かになったりしています。
 ここ数年はほとんど黒点も見られず、静かな太陽面でしたが、久々に黒点群が現れ、活発な様子を見せています。
 前回活発になるのが2年ほど遅れたため、今後の太陽の活動から目が離せません。

 白色光:15cm屈折望遠鏡 fl=1050mm F=7+ソーラーフィルター 
 Hα光:Hα太陽望遠鏡 fl500mm F=8.3+WEBカメラ
 撮影地:テラ・ドーム天文台 撮影者:高原 摂竜(地球科学館)

中接近の火星
 2020年10月6日、2年2か月ぶりに火星が接近しました。前回は大接近でしたが、今回は少し遠い中接近でした。
 テラ・ドーム周辺は秋になると大気の揺らぎがひどく、模様がぼやけてしまうのですが、スターウォッチングでも火星表面の模様を見ていただくことができました。

 81cm反射望遠鏡カセグレン焦点 fl=12000mm F=15 WEBカメラで撮影しコンポジット
 撮影地:テラ・ドーム天文台 撮影者:高原 摂竜(地球科学館)

2020年8月28日の土星
 2020年は梅雨がなかなか開けず、明けた後は大気が不安定で揺らぎ多い日が続いていました。
 8月28日、雲は多いものの揺らぎが少なく、やっと今シーズンのベストショットを撮影できました。

 81cm反射望遠鏡カセグレン焦点 fl=12000mm F=15 WEBカメラで撮影しコンポジット
 撮影地:テラ・ドーム天文台 撮影者:高原 摂竜(地球科学館)

2020年8月28日の木星
 2020年の木星は、南側の縞にオレンジ色の線が入り、赤道付近にもオレンジ色の縞が現れています。
 木星の左に二つの衛星がありますが、左がエウロパで右がイオです。木星の左上にはイオの影が写っています。

 81cm反射望遠鏡カセグレン焦点 fl=12000mm F=15 WEBカメラで撮影しコンポジット
 撮影地:テラ・ドーム天文台 撮影者:高原 摂竜(地球科学館)

2020年8月11日の木星
 2020年は夏の南の空に木星と土星が並んで輝いています。夜のスターウォッチングでも太陽系2大スターの共演を楽しんでいただいています。
 大赤班はますます赤くなり、小さくなったようです。

 81cm反射望遠鏡カセグレン焦点 fl=12000mm F=15 WEBカメラで撮影しコンポジット
 撮影地:テラ・ドーム天文台 撮影者:高原 摂竜(地球科学館)

2020年6月21日の部分日食(最大食分 17:06)
 2020年6月21日(日)、夏至の日に部分日食が起こりました。
 当日の天気予報は晴れでしたが、お昼過ぎから空に薄い雲がかかり、日食の時間もずっと曇っていましたが、時々雲が薄くなり、欠けた太陽が姿を見せてくれました。
 次に西脇で日食が見られるのは10年後、2030年6月1日です。ずいぶん待たないといけませんね。

 15cm屈折望遠鏡 fl=1050mm F=7+ソーラーフィルター 1/20秒露出
 撮影地:テラ・ドーム天文台 撮影者:奥田 亜希子(地球科学館)

アトラス彗星(C/ 2019Y4) 2020年4月14日
 2019年末に見つかったアトラス彗星は、発見後、急速に明るさを増し、久々の肉眼彗星かと期待されていました。
 4月上旬に、核が崩壊した兆候が見られ、光度も暗くなってしまい、肉眼彗星にはならない可能性が高くなってしまいました。
 天文台で撮影してみましたが、核の中央集光ははっきりしませんが、二つの明るい部分があるように見えます。

  25cm反射望遠鏡 fl=854mm F=3.4 30秒露出×20枚
 撮影地:テラ・ドーム天文台 撮影者:高原 摂竜(地球科学館)

2019年8月7日の木星
 2019年は木星と土星が夏の夜空を彩っています。
 太平洋高気圧に覆われ、良い天気が続き、スターウォッチングでもたくさんの方に見ていただいています。
 木星の右側にあるのは衛星ガニメデで、その影が木星に映っています。

 81cm反射望遠鏡カセグレン焦点 fl=12000mm F=15 WEBカメラで撮影しコンポジット
 撮影地:テラ・ドーム天文台 撮影者:高原 摂竜(地球科学館)

2019年8月8日の土星
 夜のスターウォッチングで土星がとてもよく見えたので、お客様が帰られた後に撮影しました。
 昨年までは輪の方が本体よりも幅広く見えていましたが、やっと土星らしい姿になってきました。

 81cm反射望遠鏡カセグレン焦点 fl=12000mm F=15 WEBカメラで撮影しコンポジット
 撮影地:テラ・ドーム天文台 撮影者:高原 摂竜(地球科学館)

雲間の部分日食
 2019年1月6日、西脇では7年ぶりの部分日食が起こりました。
 当日は朝から小雨が降り、予定していた観望会は中止になりました。
 10時過ぎに少しだけ雲が薄くなり、欠けた太陽が姿を現しました。あきらめずに来てくださったお客様と雲間の部分日食を楽しむことができました。

 15cm屈折望遠鏡 fl=1050mm F=7+ソーラーフィルター 1/15秒露出
 撮影地:テラ・ドーム天文台 撮影者:奥田 亜希子(地球科学館)

大接近した火星
 2017年7月31日、2003年から15年ぶりに火星が大接近しました。肉眼でも赤く輝く姿が目立ちます。
 望遠鏡では表面の模様を見ることができますが、6月に火星に発生した砂嵐の影響で、細かい模様は見えない状態です。
 遠ざかってしまう前に砂嵐がおさまるといいですね。

 81cm反射望遠鏡カセグレン焦点 fl=12000mm F=15 WEBカメラで撮影しコンポジット
 撮影地:テラ・ドーム天文台 撮影者:高原 摂竜(地球科学館)

木星と衛星イオ
 2018年夏、夕方の空に太陽系の主な惑星が宵の明星、金星を先頭に、木星、土星、火星の順に並びました。
 連日良い天気が続き、大気も安定していたため大気の揺らぎの影響も少なく、とても良い条件でした。
 木星の入り組んだ縞模様や、赤さを増している大赤斑がきれいですね。

 81cm反射望遠鏡カセグレン焦点 fl=12000mm F=15 WEBカメラで撮影しコンポジット
 撮影地:テラ・ドーム天文台 撮影者:奥田 亜希子(地球科学館)

2018年7月15日の土星
 2017年7月15日、連日記録的な猛暑が続いていましたが、高気圧に覆われ、大気がとても安定していたため、惑星たちがとてもはっきり見えました。
 夜のスターウォッチングでも、揺らぎが少なく写真と疑われるほどの姿で、550倍に拡大してもはっきりとした姿を見ていただくことができました。

 81cm反射望遠鏡カセグレン焦点 fl=12000mm F=15 WEBカメラで撮影しコンポジット
 撮影地:テラ・ドーム天文台 撮影者:高原 摂竜(地球科学館)

りゅう座の惑星状星雲NGC6543
 毎週土曜日の夜のスターウォッチングでは、メニューの中で恒星の一生をご紹介しています。星がその一生を終えた姿である惑星状星雲もそのひとつです。
 りゅう座にある惑星状星雲NGC6543は、通称キャッツアイ星雲と呼ばれていて、ハッブル宇宙望遠鏡によるすばらしい写真が有名です。
 テラ・ドームの望遠鏡では青緑に光る丸い姿の中に、かすかにリング状の構造が見られます。

 81cm反射望遠鏡ニュートン焦点 fl=4000mm F=5 赤外改造一眼レフ ISO800 15秒露出を7枚コンポジット
 撮影地:テラ・ドーム天文台 撮影者:高原 摂竜(地球科学館)

2017年7月7日の土星
 2017年7月7日、梅雨のうっとうしいお天気が続いていましたが、夜になって一瞬雲が切れ、土星が姿を現しました。
 81cm望遠鏡を向けてみると、空気の揺らぎがとても少なく、シャープな姿を見ることができました。
 急いでカメラを接続し、撮影しました。
 夏休み頃に最も見ごろを迎えます。夜のスターウォッチングでもきれいな土星を見ていただきたいですね。

 81cm反射望遠鏡カセグレン焦点 fl=12000mm F=15 WEBカメラで撮影しコンポジット
 撮影地:テラ・ドーム天文台 撮影者:高原 摂竜(地球科学館)

静岡大学の超小型衛星STARS-Cの光跡
 静岡大学の超小型衛星STARS-Cは、こうのとり6号機で国際宇宙ステーションに運ばれ、2016年12月19日に放出されました。
 当館も静岡大学からの依頼を受け、地上観測ネットワークに参加しています。
 4月14日の夕方の通過時に、北斗七星のアリオトの近くを通過するときに、待ち受けて撮影しました。
 タイミングよく太陽光を反射してくれたようで、光跡を捉えることができました。
 衛星との距離は約530km、衛星の大きさは10cm×10cm×20cmですから、テラ・ドームから福島県の会津若松市にある牛乳パックを撮影したことになります。

 25cm反射望遠鏡 fl=854mm F=3.4 1秒露出
 撮影地:テラ・ドーム天文台 撮影者:奥田 亜希子(地球科学館)

地球照
 2017年2月1日、日暮れ後の西の空で三日月と金星が並んで輝く様子が見られました。
 三日月をよく見ると、太陽に照らされて光っている部分だけではなく、影の部分もうっすらと光って見えます。
 地球照と呼ばれる現象で、月の夜空に輝く地球が地面を照らしているためにうっすらと光って見えるのです。
 地球の大きさはつきの約4倍ですから、きっと月から見上げる地球の姿はとても明るく、美しいことでしょうね。

 15cm屈折望遠鏡 fl=1050mm F=7 2秒露出
 撮影地:テラ・ドーム天文台 撮影者:高原 摂竜(地球科学館)

2017年1月9日のアルデバラン食(潜入直前)
 2017年1月9日の深夜に、おうし座の1等星アルデバランが月にかくされる様子が見られました。
 月の脇に光るアルデバランが、月の暗い縁に隠され、すっと消えたように見えました。
 月が星を隠すのは、地球の周りを回っているからです。星食の観察は天体の運行を実感できる数少ないチャンスです。

 15cm屈折望遠鏡 fl=1050mm F=7 デジタルカメラの動画のひとコマ
 撮影地:テラ・ドーム天文台 撮影者:奥田 亜希子(地球科学館)

X線天文衛星「ひとみ」の光跡
 2016年2月17日に種子島宇宙センターから打ち上げられたX線天文衛星「ひとみ」は、残念ながら現在通信が取れない状況が続いています。
 状況は現在調査中ですが、何かに衝突してバラバラになった可能性もあります。
 テラ・ドームでも撮影してみましたが、周期的に明るさを変えながら移動していくようすが写りました。
 何とか復旧してくれるといいですね。

 25cm反射望遠鏡 fl=854mm F=3.4 3秒露出を2枚比較明合成
 撮影地:テラ・ドーム天文台 撮影者:高原 摂竜(地球科学館)
くじら座の長周期変光星ミラの増光

 くじら座のミラはおよそ330日の周期で明るさを変える変光星です。最も明るい時は2等級で肉眼でも見えますが、最も暗い時には10等級で望遠鏡を使わないと見ることができません。
 写真は、2015年末から3月まで、ほぼ同じ条件で撮影したミラの姿を並べたものです。
 画像の中心に映っているのがミラですが、左端に映っている星と比べると、どんどん明るくなっていくようすがわかります。
 ミラは年老いて膨らみ、不安定になった恒星で、大きくなったり小さくなったりしながら明るさを変えていると考えられています。

 81cm反射望遠鏡ニュートン焦点 fl=4000mm F=5 ISO1600 30秒露出
 撮影地:テラ・ドーム天文台 撮影者:高原 摂竜(地球科学館)
月面X(エックス)の月
 この半月の写真に月面X(エックス)が写っています。
 皆さんはどこにあるかわかりますか?
 ヒントは欠けぎわです。探してみてください。

 15cm屈折 fl=1050mm F=7
 撮影地:テラ・ドーム天文台 撮影者:高原 摂竜(地球科学館)
月面X(エックス)
 2015年12月18日、半月の欠けぎわにXの文字が現れました。この模様は「月面X(エックス)」と呼ばれています。
 クレーターの間の山にちょうどいい角度から太陽の光が当たった時だけ見ることができます。
 半月の日、テラ・ドームのスターウォッチングで出会えるかもしれませんよ。

 81cm反射望遠鏡カセグレン焦点 fl=12000mm F=15
 撮影地:テラ・ドーム天文台 撮影者:高原 摂竜(地球科学館)



Ryuguに向けて加速するはやぶさ2   
 2015年12月3日、小惑星探査機はやぶさ2が地球の重力を利用して加速する「地球スイングバイ」を行いました。
 JAXAからいただいた位置予報では、18時45分ごろ、天の北極を通過するので、望遠鏡を天の北極に向けて撮影しました。撮影終了後に画像を拡大してみると、うっすらとした線が見え、感動しました。
 その後、地球に近づくにつれ明るさとスピードを増しながら夜空を駆け抜け、19時ちょうどに北東の山に沈んでしまいました。
 撮影の合間に81cm望遠鏡で見たはやぶさは、小さいながら明るく光りながら視野を通り抜けていきました。
 2018年のRyugu到着、そして2020年の地球帰還まで、気を付けて行ってらっしゃい!

 25cm反射望遠鏡 fl=854mm F=3.4
 撮影地:テラ・ドーム天文台 撮影者:高原 摂竜・奥田 亜希子(地球科学館)
内合の金星再び
 2015年8月14日、金星が太陽の方向にやってくる「内合」を迎えました。
 前回の2014年1月11日の内合当日の撮影に引き続き、今回も撮影にチャレンジしてみました。
 今回も太陽と金星の離隔は十分でしたが、強烈な日差しで空気が揺らぎ、ぼやけた姿しかとらえることができませんでした。
 しばらくの間は太陽に近く見ることができませんが、9月ごろからは昼間の天体観測で青空の中で光る三日月形の姿を見ていただけます。

 81cm反射望遠鏡カセグレン焦点 fl=12000mm F=15
 撮影地:テラ・ドーム天文台 撮影者:奥田 亜希子(地球科学館)
冥王星の動き

 2015年7月14日、初の冥王星探査機「ニューホライズンズ」が冥王星に最も近づきました。
 神秘的なハート形の地形や3000メートル級の山々など、新しい発見がたくさんありました。
 地球からの距離はおよそ50億キロで、大きさは地球を回る月の7割程度しかありません。明るさも14等級と暗いため、大型の望遠鏡でもその姿をとらえるのが難しい天体です。
 テラ・ドームの望遠鏡にカメラを取り付けて、星空の中を動いていく冥王星の姿をとらえました。意外に早く動いているものですね。

 81cm反射望遠鏡ニュートン焦点 fl=4000mm F=5
 撮影地:テラ・ドーム天文台 撮影者:奥田 亜希子・高原 摂竜(地球科学館)
巨大プロミネンス 2015年3月27日

 3月27日、太陽に巨大なプロミネンスが現れました。
 太陽の中心には黒点も見えています。この黒点が地球よりも少し大きいくらいですから、プロミネンスの巨大さがわかりますね。
 残念ながら巨大プロミネンスは翌日には消えてしまっていました。
 太陽も生きている星なのだと実感しますね

 テラ・ドーム太陽望遠鏡(fl500mm F=8.3) スマートフォンでコリメート撮影
2015年2月14日の太陽

 太陽の縁から吹き上げるように見えるプロミネンスは、太陽の磁力線に沿って移動する高温のガスです。
 太陽の手前側にあるときは、ダークフィラメントと呼ばれる黒い筋状の模様に見えます。
 2月初旬から見えていた長いダークフィラメントが太陽の自転で縁まで移動し、ダークフィラメントがプロミネンスにつながっている様子がわかりますね。

 テラ・ドーム太陽望遠鏡(fl500mm F=8.3) スマートフォンでコリメート撮影
ラブジョイ彗星(C/2014Q2)2014年2月14日
 今年の冬は不安定な天気が多く、なかなかよい星空に恵まれませんでした。
 久々にお天気が良かったので撮影しましたが、地球に接近していた1月より暗くなってしまっていました。
 ラブジョイ彗星は1月30日に太陽に最も近づいたあと、今後は次第に遠く、暗くなっていきます。
 次に太陽に近づくのは8000年も先のことだそうです。

 15cm屈折望遠鏡 fl=1050mm F=7
 撮影地:テラ・ドーム天文台 撮影者:奥田 亜希子(地球科学館)
ラブジョイ彗星(C/2014Q2)2014年1月10日
 2015年1月7日にラブジョイ彗星というほうき星が地球に最接近しました。
 久々の好天に恵まれた1月10日、夜のスターウォッチングが終わった後に撮影にチャレンジしてみました。
 緑色の尾から左向きに数本のイオンの尾が伸びる様子がわかります。
 これからしばらくの間は条件よく観察ができそうです。

 15cm屈折望遠鏡 fl=1050mm F=7 ISO1600 30秒露出を3枚彗星核を基準にコンポジット
 撮影地:テラ・ドーム天文台 撮影者:奥田 亜希子(地球科学館)
太陽の自転 2014年10月18日〜10月30日
 巨大黒点の観測で、晴れた日には太陽を撮影していたので、10月18日から30日までの13日のうち、10日間撮影することができました。
 アニメーションにすると、太陽も自転していることがわかります。

 15cm屈折望遠鏡 fl=1050mm F=7 ISO100 1/4000秒露出
 撮影地:テラ・ドーム天文台 撮影者:奥田 亜希子・高原 摂竜(地球科学館)
太陽の巨大黒点 2014年10月18日
 太陽の表面で、周りより少し温度が低く、黒く見える模様が黒点です。
 温度は低いのですが、太陽の活発に活動している部分に現れます。
 2014年10月18日、太陽の縁に巨大な黒点が現れました。
 丸い太陽の直径が地球の109倍ですから、この黒点がどれくらい大きいかがわかりますね。

 15cm屈折望遠鏡 fl=1050mm F=7 ISO100 1/4000秒露出
 撮影地:テラ・ドーム天文台 撮影者:奥田 亜希子・高原 摂竜(地球科学館)
太陽の巨大黒点 2014年10月19日
 10月19日になっても黒点は消えていませんでした。
 18日の画像と比べると、少し黒点が移動していますが、これは太陽が自転しているためです。

 15cm屈折望遠鏡 fl=1050mm F=7 ISO125 1/3200秒露出
 撮影地:テラ・ドーム天文台 撮影者:奥田 亜希子(地球科学館)
太陽の巨大黒点 2014年10月21日
 10月21日の巨大黒点です。

 15cm屈折望遠鏡 fl=1050mm F=7 ISO125 1/3200秒露出
 撮影地:テラ・ドーム天文台 撮影者:奥田 亜希子(地球科学館)
太陽の巨大黒点 2014年10月23日
 10月23日の巨大黒点です。

 15cm屈折望遠鏡 fl=1050mm F=7 ISO100 1/4000秒露出
 撮影地:テラ・ドーム天文台 撮影者:奥田 亜希子(地球科学館)
太陽の巨大黒点 2014年10月24日
 10月24日の巨大黒点です。

 15cm屈折望遠鏡 fl=1050mm F=7 ISO125 1/3200秒露出
 撮影地:テラ・ドーム天文台 撮影者:奥田 亜希子(地球科学館)
太陽の巨大黒点 2014年10月25日
 10月25日の巨大黒点です。

 15cm屈折望遠鏡 fl=1050mm F=7 ISO100 1/4000秒露出
 撮影地:テラ・ドーム天文台 撮影者:奥田 亜希子(地球科学館)
太陽の巨大黒点 2014年10月26日
 10月26日の巨大黒点です。

 15cm屈折望遠鏡 fl=1050mm F=7 ISO125 1/3200秒露出
 撮影地:テラ・ドーム天文台 撮影者:奥田 亜希子(地球科学館)
太陽の巨大黒点 2014年10月27日
 10月27日の巨大黒点です。

 15cm屈折望遠鏡 fl=1050mm F=7 ISO100 1/4000秒露出
 撮影地:テラ・ドーム天文台 撮影者:奥田 亜希子(地球科学館)
太陽の巨大黒点 2014年10月28日
 10月28日の巨大黒点です。

 15cm屈折望遠鏡 fl=1050mm F=7 ISO125 1/3200秒露出
 撮影地:テラ・ドーム天文台 撮影者:奥田 亜希子(地球科学館)
太陽の巨大黒点 2014年10月30日
 10月30日の巨大黒点です。
 太陽の縁までやってきてしまいました。

 15cm屈折望遠鏡 fl=1050mm F=7 ISO100 1/4000秒露出
 撮影地:テラ・ドーム天文台 撮影者:奥田 亜希子(地球科学館)
内合直前の金星の変化
 金星は地球の内側を回る内惑星です。地球からは太陽の近くにあり、夕方の西空か明け方の東の空に見えます。
 2013年は夕方の空に宵の明星として輝いていましたが、年末ごろから太陽に近づきほとんど見えなくなっていました。
 2014年1月11日に、地球と太陽の間を通る「内合」を迎え、太陽の西側に移動しました。
 テラ・ドームでは、写真で内合直前の金星の変化をとらえました。
 金星の光る部分の向きが日に日に変化していく様子がわかります。(写真はすべて北が上)

 81cm反射望遠鏡カセグレン焦点 fl=12000mm F=15
 撮影地:テラ・ドーム天文台 撮影者:奥田 亜希子・高原 摂竜(地球科学館)
内合当日の金星
 2014年1月11日、金星が太陽の方向にやってくる「内合」を迎えました。
 前回の内合は2012年6月6日で、このときは金星と太陽が重なる「金星の太陽面通過」が起こりました。
 今回は、金星が太陽の北5度ほどのところを通ったため、内合当日の金星の姿をとらえることができました。
 当日は時々雲がかかり、雪がちらつくお天気でしたが、太陽を隠しながら撮影しました。

 81cm反射望遠鏡カセグレン焦点 fl=12000mm F=15
 撮影地:テラ・ドーム天文台 撮影者:奥田 亜希子・高原 摂竜(地球科学館)
内合前後の金星の変化
 2014年1月11日の内合をはさんで1週間分の金星の変化を並べてみました。
 写真はすべて上が北です。
 金星の光っている部分が日に日に変化していく様子がわかりますね。

 81cm反射望遠鏡カセグレン焦点 fl=12000mm F=15
 撮影地:テラ・ドーム天文台 撮影者:奥田 亜希子・高原 摂竜(地球科学館)
2014年1月7日の太陽
 太陽に巨大な黒点群が現れました。
 日食のときに2009年の日食のときに使った太陽フィルターを久しぶりに付けて撮影しました。
 一番大きな黒点は、灰色の反暗部まで含めると地球の直径の約5倍ほどの大きさです。
 日食メガネでも何とか見えました。

 15cm屈折望遠鏡 fl=1050mm F=7 ISO200 1/2000秒露出を10枚コンポジット
 撮影地:テラ・ドーム天文台 撮影者:高原 摂竜(地球科学館)
スピカ食(出現) 2013年8月12日

 2013年8月12日、夕方の薄明の中でスピカが月にかくされる「スピカ食」が起こりました。
 15cm屈折望遠鏡でビデオを撮影しながら、81cm望遠鏡をのぞいていると、月の縁から一瞬でスピカが現れるのが見えました。
 月のすぐそばに青白いスピカが輝いて光る様子はとてもきれいでした。

 テラ・ドーム15cm屈折望遠鏡+ハイビジョンビデオカメラでコリメート撮影
 30コマをコンポジット
太陽から吹き上げる火柱

 2012年11月16日、午後4時からの天文台公開で太陽を見ると、太陽直径の半分くらいの高さまで吹き上がったプロミネンスが見えました。
 お客様にもこれほど大きな炎が見られるのはめずらしいとご説明して喜んでいただくことができました。
 公開のあと、大急ぎで写真を撮りましたが、程なくして太陽は山の向こうに沈んでしまいました。

 テラ・ドーム太陽望遠鏡+赤外改造D50
 1/30露出 10コマをコンポジット
アリスタルコスとシュレーター谷

 満月に近いころ、嵐の大洋の中にひときわ明るく輝いて見えるクレーターがアリスタルコスです。その左上の蛇行した谷がシュレーター谷です。
 アリスタルコスはただ明るいだけではなく、「クレーターの端に赤い光が並んで見えた」「白い煙のようなものが出ているのが見えた」など、時々謎の発光現象が起こることでよく知られています。
 運が良ければスターウォッチングで謎の発光現象が見られるかもしれませんね。

 テラ・ドーム81p反射望遠鏡+ハイビジョンカメラでコリメート撮影
 120コマをコンポジット
ガラッド彗星

 2009年に発見されたガラッド彗星が、地球に近づき、7等級程度の明るさになりました。
 ヘールボップ彗星や百武彗星のように、肉眼で見えるほど明るくはなりませんが、今回太陽に近づいた後は太陽系の果てまで飛んでいってしまうため、二度と見ることはできません。

 テラ・ドーム81p反射望遠鏡ニュートン焦点+レデューサー(Fl=2900mm F=3.6)
 D70 1分露出×6枚コンポジット
太陽の巨大プロミネンス

 2011年1月19日、太陽に巨大なプロミネンスが現れました。ここ数年太陽活動が穏やかだったのですが、最近は時々黒点群が現れたり、大きなプロミネンスが現れたりして活発な活動の兆しが見えてきました。

 テラ・ドーム太陽望遠鏡(fl500mm F=8.3)直焦点 D70 1/45露出
おうし座の超新星残骸 M1(かに星雲)

 冬の星座、おうし座の角の先に、かに星雲があります。この星雲は、1054年に起こった超新星爆発によって、星が飛び散って行く姿です。記録によると、おうし座に木星ほどの明るさで星が輝き、昼間でも見ることができたとされています。(今の空では昼間、肉眼で木星を見つけるのは難しいので、昔は空がきれいだったのでしょうか・・・)赤い筋のようなものがカニの脚に似ているということで、かに星雲の名前がありますが、81cm反射望遠鏡でも、佐渡島のような形はわかりますが、カニには見えません。

 テラ・ドーム81p反射望遠鏡ニュートン焦点(Fl=4000mm F=5)
 赤外改造D600 1分露出×20枚コンポジット
りょうけん座の球状星団 M3

 球状星団は、数十万個もの太陽のような星が、ボール状に集まった天体です。テラ・ドームの望遠鏡では、無数の星が集まっているようすが見られます。
 夏の夜空にあるM13がその代表ですが、春いちばんに見え始めるのがM3です。

 テラ・ドーム81p反射望遠鏡ニュートン焦点(Fl=4,000mm F=5)
 D50 2分露出
ヘラクレス座の球状星団 M13

 夏の夜空の目印となる「夏の大三角」の西側にヘラクレス座があります。このヘラクレスの腰のあたりに、球状星団M13があります。 球状星団とは、その名のとおり、「ボールみたいな星のお団子」で、M13には数十万から百万個もの星が集まっていると言われています。 双眼鏡や小型の望遠鏡ではぼんやりとした光にしか見えませんが、テラ・ドームの望遠鏡では、数え切れないほどの星が銀の砂をまいたように集まっているのがよくわかります。
 テラ・ドーム81p反射望遠鏡ニュートン焦点+レデューサー(Fl=2900mm F=3.6)
 FUJI Super-G ACE800 7分露出
ペガスス座の球状星団 M15

 ペガスス座の鼻の先に、球状星団M15があります。街灯りの少ないところでは、口径5pの双眼鏡でも見つけることができますが、ぼんやりとした光のシミにしか見えません。テラ・ドームの81p望遠鏡で見ると、ヘラクレス座のM13にまさるとも劣らない見事な姿を見ることができます。M15までの距離は、光の早さでも約5万年かかると言われています。望遠鏡を通して見ている光が、5万年も宇宙を飛び続けてきたものだと考えると、不思議な気持ちになります。
 テラ・ドーム81p反射望遠鏡ニュートン焦点(Fl=4000mm F=5.0)
 D70 3分露出
こぎつね座のあれい星雲 M27

 小学校4年生で習う「夏の大三角」の中に、暗い星ばかりで目立たない「こぎつね座」がかくれています。そのこぎつね座にあれい星雲があります。あれいとは、鉄アレイのことで、確かに真ん中がくびれていますが、どちらかというとかじったリンゴのような形に見えますね。テラ・ドームの望遠鏡では、このような色はわかりませんが、形は見ることができます。
 テラ・ドーム81p反射望遠鏡ニュートン焦点(Fl=4000mm F=5.0)
 赤外改造D600 2分露出×11枚コンポジット
オリオン星雲 M42

 冬の代表的な星座、オリオン座は、1等星が2つもあることと、わかりやすい形をしているために、非常に有名な星座です。オリオンの腰のベルトにあたる「3つ星」の下に、縦に3つの星が並ぶ「子三つ星」があります。子三つ星のあたりをよく見ると、肉眼でもぼんやりとした光が見えることがあります。これが有名な「オリオン星雲 M42」です。写真ではピンクや青など、色とりどりのガスが写る神秘的な天体ですが、望遠鏡では小さな4つの星を緑色の淡いベールが包んでいるように見えます。この4つの星は、オリオン星雲のガスの中から生まれた赤ちゃんの星だといわれています。すばる望遠鏡の赤外線での観測では、ガスの中でたくさんの星が生まれているようすがわかっています。まさに星の生産工場といったところでしょうか。
 テラ・ドーム81p反射望遠鏡ニュートン焦点+レデューサー(Fl=2900mm F=3.6)
 FUJI Super-G ACE800 7分露出
りょうけん座の子持ち銀河 M51

 7つの星がひしゃくの形に並んでいる「北斗七星」。その北斗七星の柄の先に近いところに、M51があります。大きな渦巻銀河と小さな銀河がまるで手をつないでいるように見えることから、「子持ち銀河」と呼ばれています。夜空の暗いところでは、小さな望遠鏡でも手をつないでいるようすがわかりますが、市街地に近いテラ・ドームでは、中心の明るい部分しか見えないことが多いのが残念です。ところで、このふたつの銀河は、本当に手をつないでいるのです。銀河どうしが衝突している現場なのです。銀河が衝突すると、銀河の形が大きく変わってしまったり、異常な勢いで新しい星が生まれたりします。宇宙全体では、銀河の衝突は珍しいことではないようです。私たちの銀河系も、いずれはお隣のアンドロメダ銀河と衝突すると考えられています。
 テラ・ドーム81p反射望遠鏡ニュートン焦点(Fl=4,000mm F=5)
 赤外改造D50 2分露出×4枚コンポジット
こと座のリング星雲 M57

 夏の大三角で最も明るいのがこと座のベガです。このこと座にリング星雲M57があります。望遠鏡で見てみると、たばこの煙の輪のような白っぽい光がぼんやりと浮かんでいるのが見えます。この輪の正体は、「星の幽霊」なのです。夜空に輝いている星も、何十億年という長い目で見ると生まれたり死んだりしています。星は死を迎えると、自分を作っていたガスを宇宙へ吐き出します。リング星雲は、宇宙へと帰っていく星の最後の姿なのです。そして、吐き出されたガスはまた新しい星の材料になるのです。
 テラ・ドーム81p反射望遠鏡ニュートン焦点(Fl=4000mm F=5)
 赤外改造D600 2分露出×14枚コンポジット
かみのけ座の渦巻銀河 M64

 M64は、かみのけ座にある渦巻銀河です。中心から少し離れたところに暗黒帯があり、この姿から「黒眼銀河」と呼ばれています。
 黒眼にあたる部分は、たくさんのチリやガスが集まっているところで、今も新しい星が活発に生まれています。

 テラ・ドーム81p反射望遠鏡ニュートン焦点+レデューサー(Fl=2900mm F=3.6)
 赤外改造D50 3分露出×5枚コンポジット
しし座の渦巻銀河 M65

 春の星座、しし座の後ろ足にあたるところに、ふたつの銀河が並んで見えます。西側にあるのがM65で、地球からの距離はおよそ2400万光年です。
 夜空の暗いところで、大型の双眼鏡で見ると、M66とM65のペアと、非常に淡いNGC3628という銀河が三角形に並んでいるのがわかります。

 テラ・ドーム81p反射望遠鏡ニュートン焦点(Fl=4000mm F=5)
 赤外改造D600 1分露出×14枚コンポジット
しし座の渦巻銀河 M66

 M65の東となりに、渦巻銀河M66があります。地球からの距離はおよそ2200万光年です。
 M65に比べると腕の構造がよくわかります。渦巻きの部分に青い星やピンク色の点がたくさん見えますが、活発に新しい星が生まれているようです。

 テラ・ドーム81p反射望遠鏡ニュートン焦点(Fl=4000mm F=5)
 赤外改造D600 1分露出×17枚コンポジット
ペルセウス座の惑星状星雲 M76

 ペルセウス座にある惑星状星雲M76は、小あれい星雲とも呼ばれています。中心の明るい部分がこぎつね座のあれい星雲を小さくしたように見えるからでしょう。赤や緑、青が入り交じってきれいですね。
 画像を撮ってみると、明るい部分の周りに、淡くループ状の構造が見えてきます。その構造はかなり淡いので、露出時間を伸ばして、何とか撮影することができました。

  テラ・ドーム81p反射望遠鏡ニュートン焦点(Fl=4000mm F=5.0) 赤外改造D600 90秒露出×15枚コンポジット
オリオン座の散光星雲 M78

 M78と聞くと、「ウルトラマン」を思い出す方も多いのではないでしょうか。そう!ウルトラマンの故郷は、M78星雲でしたね。このM78星雲は、オリオン座の三つ星の一番東側の星の少し北にあります。大型の双眼鏡や、10p以上の望遠鏡では、二つの星のまわりにぼんやりとしたガス状のものが見えます。この星雲の正体は、暗黒星雲という、ガスやちりの濃い部分が、手前にある星の光を反射しているものといわれています。
 テラ・ドーム81p反射望遠鏡ニュートン焦点+レデューサー(Fl=2900mm F=3.6)
 赤外改造D50 3分露出×5枚コンポジット
うさぎ座の球状星団 M79

 冬の代表的な星座、オリオン座の足元に、うさぎ座があります。そのうさぎ座に、冬に見られる唯一の球状星団、M79があります。
 高度が低い上に、冬は大気の揺らぎが大きく星がたくさん集まっているようすを見るのはなかなか難しいものです。
 テラ・ドーム81p反射望遠鏡ニュートン焦点+レデューサー(Fl=2900mm F=3.6)
 赤外改造D50 1分露出×4枚コンポジット
おおぐま座の渦巻銀河 M81

 北斗七星のひしゃくで水をすくう部分にあたる4つの星のうち、いちばん端のα星をはさんで3番目のγ星と反対のあたりに渦巻銀河M81と不規則銀河M82が並んで見えます。
 このうちの一つ、M81はきれいな渦巻構造を持っていて、渦巻の腕の部分には新しい星が活発に作られている「星雲」たくさん見られます。
 地球からの距離はおよそ1,200万光年といわれています。
 テラ・ドームのスターウォッチングでも見ていただくことがありますが、中心の明るい部分がぼんやりと光っているように見えます。
 テラ・ドーム81p反射望遠鏡ニュートン焦点(Fl=4000mm F=5)
 赤外改造D600 1分露出×15枚コンポジット
おおぐま座の不規則銀河 M82

 不規則M82は、渦巻銀河M81のすぐ隣にある銀河で、とても活発な星生成が起こっていることから「スターバースト銀河」と呼ばれることもあります。
 実際にM81の近くにあり、M81の重力により変形し、爆発的な星生成や、ガスの噴出が起こっていると考えられています。
 テラ・ドームの望遠鏡では、細長い光の中に暗黒帯が見られます。
 
 テラ・ドーム81p反射望遠鏡ニュートン焦点(Fl=4000mm F=5)
 赤外改造D600 1分露出×7枚コンポジット
しし座の渦巻銀河 M95

 春の夜空の空高く、しし座があります。ライオンのおなかのあたりに、いくつもの銀河が集まった、しし座銀河群があります。
 M95もそのうちのひとつで、地球からの距離は約3800万光年と言われています。
 渦巻銀河の中でも、棒渦巻銀河という種類で、中心から棒状の構造が伸び、その先端から渦巻きの腕が伸びています。
 丸く見える腕の外側に、淡い腕が広がっているのですが、夜空の明るさにかくれてほとんど写ってくれませんでした。

 テラ・ドーム81p反射望遠鏡ニュートン焦点+レデューサー(Fl=2900mm F=3.6)
 赤外改造D50 3分露出×5枚コンポジット
しし座の渦巻銀河 M96

 しし座の渦巻銀河M96は、しし座のおなかのあたりにある「しし座銀河群」のうちのひとつで、M95の少し東にあります。
 M95とはちがい、銀河中心から渦巻きの腕が伸びる、渦巻銀河です。中心の右側に黒い筋のように暗黒星雲が見えています。
 
 テラ・ドーム81p反射望遠鏡ニュートン焦点+レデューサー(Fl=2900mm F=3.6)
 赤外改造D50 3分露出×5枚コンポジット
おおぐま座の惑星状星雲 M97(ふくろう星雲)

 北斗七星のひしゃく型で、水をすくう方の先から2つ目に光っているのがおおぐま座β星です。そこから3番目のγ星の方に少し進んだところに、惑星状星雲M97があります。
 とても淡い星雲で、条件の良いところでないと見ることができません。
 写真では、丸い星雲の中に黒っぽい丸い模様がふたつ並んでいて、ふくろうの顔に似ていることから、「ふくろう星雲」と呼ばれています。
 
 テラ・ドーム81p反射望遠鏡ニュートン焦点+レデューサー(Fl=2900mm F=3.6)
 赤外改造D50 5分露出×3枚コンポジット
かみのけ座の楕円銀河 M100

 かみのけ座にある渦巻銀河で、銀河系からの距離は約5500万光年です。
 大型の双眼鏡でも存在がわかる程度ですが、写真に撮るととてもきれいな渦巻き型をしているのがわかります。
 渦巻きの中心部に、とても明るい部分がありますが、ハッブル宇宙望遠鏡の写真では青白い星とガスが入り乱れた渦巻きが写し出されています。
 
 テラ・ドーム81p反射望遠鏡ニュートン焦点+レデューサー(Fl=2900mm F=3.6)
 赤外改造D50 3分露出×5枚コンポジット
しし座の楕円銀河 M105

 しし座の銀河M95、M96の少し東側にある楕円銀河です。
 楕円銀河とは、渦状の構造を持たず、恒星が丸く集まっている銀河のことで、銀河団の中に多く見られます。
 写真の中央に見えているのがM105で、左上に見えているのがNGC3384、左下に淡く見えているのがNGC3389です。
 
 テラ・ドーム81p反射望遠鏡ニュートン焦点+レデューサー(Fl=2900mm F=3.6)
 赤外改造D50 3分露出×5枚コンポジット
りょうけん座の渦巻銀河 M106

 北斗七星のβ星と、りょうけん座の3等星、コルカロリのちょうど中間のあたりにある渦巻銀河です。
 夜空の暗いところでは、大型の双眼鏡でもその姿を見ることができます。
 渦巻きの腕の中に、複雑な暗黒星雲や、ピンク色の星雲などがたくさんあることから、活発に星が生まれていることがわかります。
 
 テラ・ドーム81p反射望遠鏡ニュートン焦点+レデューサー(Fl=2900mm F=3.6)
 赤外改造D50 3分露出×5枚コンポジット
おおぐま座の棒渦巻銀河 M109(NGC3992)

 M109は、北斗七星のひしゃくの水をすくう部分にある、おおぐま座γ星のすぐ近くにある棒渦巻銀河です。
 メシエカタログに載っている場所にはそれらしい天体がなく、最も近いところにあるNGC3992の記録間違いではないかと言われています。
 写真では、斜めに伸びた棒状の構造から、淡い腕が伸びている様子がわかります。
 
 テラ・ドーム81p反射望遠鏡ニュートン焦点+レデューサー(Fl=2900mm F=3.6)
 赤外改造D50 3分露出×5枚コンポジット
ケフェウス座の惑星状星雲 NGC40

 ケフェウス座にある小さな惑星状星雲、NGC40です。これも太陽のような星が生涯を終え、宇宙に広がって行く姿です。
 テラ・ドームの望遠鏡では、中心の星の周りにかすかに広がるガスを見ることができます。

 テラ・ドーム81p反射望遠鏡カセグレン焦点<fl=12000mm F=15) 赤外改造D50 3分露出×3枚+5分露出×1枚コンポジット
きりん座の惑星状星雲 NGC1501

 きりん座にある惑星状星雲NGC1501は、美しい青色がとても神秘的ですね。

  テラ・ドーム81p反射望遠鏡カセグレン焦点(Fl=12000mm F=15.0) 赤外改造D600 90秒分露出×10枚コンポジット
おうし座の惑星状星雲 NGC1514

 おうし座にある惑星状星雲で、中心星の周りにガスが広がっています。とても淡いため、望遠鏡を向けてみても恒星状にしか見えません。
 テラ・ドーム81p反射望遠鏡ニュートン焦点(Fl=4000mm F=5.0)
 赤外改造D600 2分露出×15枚コンポジット
エリダヌス座の惑星状星雲 NGC1535

 エリダヌス座にあるNGC1535は、小さくて明るい惑星状星雲です。色や形、そして内部にあるリング状の構造などが、下でご紹介しているNGC7662(青い雪玉星雲)とよく似ていますね。

  テラ・ドーム81p反射望遠鏡カセグレン焦点(Fl=12000mm F=15.0) 赤外改造D600 90秒分露出×10枚コンポジット
オリオン座の惑星状星雲 NGC2022

 2022年を迎え、ふとNGC2022はどんな天体か気になったので、調べてみると、オリオン座の惑星状星雲であることがわかりました。望遠鏡を向けてみると、かすかに丸い光が見えましたが、観望会で見ていただくには暗すぎます。写真を撮ってみると、淡い光の中にリング状の構造が見られます。

  テラ・ドーム81p反射望遠鏡カセグレン焦点(Fl=12000mm F=15.0) 赤外改造D600 2分露出×5枚コンポジット
いっかくじゅう座の散光星雲 NGC2261

 NGC2261は、別名ハッブルの変光星雲と呼ばれています。逆三角形の小さな星雲で、ほうき星の頭部のような形をしています。
 三角形の先端に光るいっかくじゅう座R星は生まれて間もない星で、星の周りにチリやガスの円盤があります。その円盤から漏れ出た光がまわりのガスを照らしている姿です。

 テラ・ドーム81p反射望遠鏡ニュートン焦点+レデューサー(Fl=2900mm F=3.6)
 赤外改造D50 2分露出×5枚コンポジット
ふたご座の惑星状星雲 NGC2371〜2

 ふたご座にある惑星状星雲で、星をはさんで南側(写真下側)にNGC2371、北側にNGC2372が向かい合って、鉄アレイのような形に見えます。犬のくわえている骨にもにていることから、「ドッグボーン星雲」と呼ばれることもあります。

 テラ・ドーム81p反射望遠鏡ニュートン焦点+レデューサー(Fl=2900mm F=3.6)
 赤外改造D50 2分露出×5枚コンポジット
ふたご座の惑星状星雲 NGC2392

 ふたご座にある惑星状星雲で、毛皮のついた帽子をかぶった「エスキモー」に似ていることから、エスキモー星雲の名前で親しまれています。81cm反射望遠鏡では、そう言われるとそんな感じに見えます。丸くて大きさも木星などに似ているため、惑星状星雲と言われていますが、惑星とはちがい、太陽のような星がその寿命を終え、シャボン玉のように宇宙に広がって行く姿です。

  テラ・ドーム81p反射望遠鏡カセグレン焦点(Fl=12000mm F=15.0) 赤外改造D600 2分露出×3枚コンポジット
とも座の惑星状星雲 NGC2438

 次は、とも座にあるNGC2438です。とも座ってあまり聞いたことがない星座だと思います。漢字では「船尾」と書きます。星座絵では、冬の南の空に大きな船の姿が描かれていますが、これは昔アルゴ船座と呼ばれていました。しかし、あまりにも大きすぎるため、18世紀半ばに「とも(船尾)座」、「りゅうこつ(竜骨)座」、「ほ(帆)座」、「らしんばん(羅針盤)座」の4つに分割されたそうです。
 冬の天の川の中に、M46とM47というふたつの散開星団が並んでいて、双眼鏡でも楽しめるのですが、大型の望遠鏡を使うと、M46のたくさんの星の中に、NGC2438が小さなシャボン玉のように隠れているのを見ることができます。

 テラ・ドーム81p反射望遠鏡ニュートン焦点<fl=4000mm F=5)
 赤外改造D600 1分露出×20枚コンポジット
とも座の惑星状星雲 NGC2440

 またまた、とも座にある惑星状星雲、NGC2440です。今度は蝶が羽を広げたような形に星雲が広がっていますね。惑星状星雲には、このように軸対称のものが多く見られます。同じ星の死ですが、いろいろな色や形があり、すごく不思議ですね。

 テラ・ドーム81p反射望遠鏡ニュートン焦点<fl=4000mm F=5)
 ST-237A冷却CCDカメラで撮影 (L=30秒×10枚 RGBそれぞれ60秒×3枚)
うみへび座の木星状星雲 NGC3242

 2004年4月24日、久々の冬型で西脇周辺は空が澄み渡り、すばらしい天気に恵まれました。天体観測会を終えたあと、うみへび座の木星状星雲(NGC3242)を撮影しました。大きさや模様が木星に似ていることから、木星状星雲と呼ばれています。テラ・ドームの天体望遠鏡では、丸い星雲の中にリング状の光を見ることができます。
 カラー画像を撮影している途中で雲が出てきて、他の天体は撮影できませんでした。日頃の行いが悪いのかも・・・

 テラ・ドーム81p反射望遠鏡ニュートン焦点<fl=4000mm F=5)
 ST-237A冷却CCDカメラで撮影 (L=60秒×10枚 RGBそれぞれ120秒×1枚)
かみのけ座の銀河 NGC4565
 私たちの太陽系は、銀河系という星の集まりの中にあります。銀河系は、1000〜2000億個というものすごい数の太陽が作る巨大な渦巻きです。この渦巻きは平べったく、横から見ると凸レンズのように真ん中が膨らんだ形をしています。宇宙には、私たちの銀河系の他にも、たくさんの銀河があります。そのうちのひとつ、かみのけ座のNGC4565は、渦巻銀河を真横から見た形をしています。真ん中の黒い筋は、「暗黒帯」といって、ちりやガスが濃いために、星の光を隠してしまっているのです。私たちの銀河系も、外から見るとこんなふうに見えると考えられています。
 テラ・ドーム81p反射望遠鏡ニュートン焦点+レデューサー(Fl=2900mm F=3.6)
 FUJI Super-G ACE800 7分露出
ヘルクレス座の惑星状星雲 NGC6210

 ヘルクレス座にある小型の惑星状星雲です。テラ・ドームの81cm望遠鏡では、まわりの恒星よりも少し広がった青白い姿を見ることができます。カメ星雲の別名があり、星雲から手足が出ているような形をしているそうですが、外側の手足は淡くてなかなかそれらしい姿には写ってくれません。

  テラ・ドーム81p反射望遠鏡カセグレン焦点(Fl=12000mm F=15.0) 赤外改造D600 2分露出×15枚コンポジット
みずがめ座の土星状星雲 NGC7009

 みずがめ座にある惑星状星雲NGC7009です。その形から、土星状星雲と呼ばれています。目で見ると丸い部分しか見えませんが、写真を撮ると淡い出っぱりが写ります。
 本当は星雲の中に中心星(死んでしまった星の燃えかす)やリング状の構造などがあるのですが、今回は写ってくれませんでした。後日また再チャレンジしてみたいと思っています。  

 テラ・ドーム81p反射望遠鏡ニュートン焦点<fl=4000mm F=5)
 ST-237A冷却CCDカメラで撮影 (L=60秒×5枚 RGBそれぞれ180秒×2枚)
アンドロメダ座の惑星状星雲 NGC7662(青い雪玉星雲)
 アンドロメダ座にある惑星状星雲で、望遠鏡で見た姿から「青い雪玉星雲」と呼ばれています。雪玉というよりは、保健室にあった消毒用の綿の玉のようなふわふわした感じに見えます。この天体もリング星雲と同じく星が死んでしまった後の姿です。リング星雲より最近一生を終えた星で、真ん中の空洞がまだできていませんが、よく見ると丸い姿の中にリング状の構造が見えます。
 テラ・ドーム81p反射望遠鏡カセグレン焦点(Fl=12000mm F=15.0) 赤外改造D600 2分露出×10枚コンポジット
はくちょう座のまゆ星雲 IC5146

 まゆ星雲は、はくちょう座にある散光星雲です。中心にある星から出る紫外線を受けて電離した水素が赤く光っているものです。
 地球からの距離はおよそ4,000光年です。

 テラ・ドーム81p反射望遠鏡ニュートン焦点<fl=4000mm F=5)
 赤外改造D600 2分露出×12枚コンポジット
はくちょう座のまゆ星雲 IC5146(広角)

 まゆ星雲は天の川の中に見えているので、星雲の周りにはたくさんの星が写っています。赤い星雲から右上に向けて、星が少ない部分がありますが、星がないわけではなく、バーナード168という暗黒星雲があり、天の川の星を隠しているのです。

  25cm反射望遠鏡 fl=854mm F=3.4
 赤外改造D7100 2分露出×14枚コンポジット
 

 月は地球の周りを回るたった一つの衛星です。望遠鏡で表面の模様をはっきりと見ることができる唯一の星でもあります。隕石が衝突してできたと考えられている丸いくぼみ、クレーターや、山、谷など、色々な表情を見せてくれる月を見ていると、思わず時間を忘れてしまいます。ただし、81pの望遠鏡ではまぶしすぎて、見た後しばらくは残像に悩まされます。
 テラ・ドーム81p反射望遠鏡ニュートン焦点(Fl=4,000mm F=5)
 FUJI Super-G ACE400(ブローニー)
2003年10月17日の火星(ビデオ画像をコンポジット処理)
 地球からの距離:5625万q 視直径:24.9″

 10月、西脇周辺は好天に恵まれ、美しい星空がよく見られました。でも、頭の上に輝く夏の大三角の星たちさえもまたたいて見えるほど大気の揺らぎが大きく、望遠鏡で火星を楽しむには条件が悪い日が続きました。10月17日、天体観測会の始まる前、比較的大気の安定している時間があったので、久々にビデオを撮りました。大接近のころに比べると、かなり小さくなってしまいましたが、もうしばらくは白く光る南極冠や模様などを見ることができます。

 81p反射望遠鏡(fl=1200mm F=15) ビデオカメラで撮影(直接焦点)
 撮影地:地球科学館天文台 撮影者:高原 摂竜(地球科学館)
2003年9月2日の火星(ビデオ画像をコンポジット処理)
 地球からの距離:5625万q 視直径:24.9″

 9月2日、西脇周辺はとてもよい天気に恵まれ、昼間、ギラギラと照りつける太陽がまだまだ真夏の暑さでした。これは期待できるぞと夜を待ったのですが、残念ながら薄い雲がかかり、条件はそれほどよくありませんでした。それでもとビデオを撮り、画像処理をしてみました。昨日の画像よりも太陽湖がこちらを向いています。オリンポス山も何とか確認できます。

 81p反射望遠鏡(fl=1200mm F=15) ビデオカメラで撮影(直接焦点)
 撮影地:地球科学館天文台 撮影者:高原 摂竜(地球科学館)
2003年8月31日の火星(ビデオ画像をコンポジット処理)
 地球からの距離:5625万q 視直径:25.0″

 大接近から4日後、夏休み最後の日曜日、西脇周辺は久々に青空が広がりました。夜になっても雲が多いものの赤く輝く火星が目立っていました。さっそく天体望遠鏡を向けてみると、小さくなった南極冠が白く輝き、シレーンの海や太陽湖のあたりがよく見えていました。時々揺らぎがおさまると、今までに見たこともないような細かい模様まで見ることができました。

 81p反射望遠鏡(fl=1200mm F=15) ビデオカメラで撮影(直接焦点)
 撮影地:地球科学館天文台 撮影者:高原 摂竜(地球科学館)
2003年8月28日の火星
 2003年8月27日の歴史的大接近翌日、雲間から火星の観測を行いました。81cm反射望遠鏡を通して見る姿は、赤く輝く真珠のようでした。南極館はますます小さくなり、キンメリア人の海からシレーンの海へといたる模様が黒い帯のように見えています。

 テラ・ドーム81p反射望遠鏡+ビデオカメラで撮影
2003年8月19日の火星
 2003年8月に、5万7千年ぶりに大接近を迎える火星をテラ・ドームの81p反射望遠鏡にビデオカメラを取り付けて撮影ました。火星の右上、白くなっている部分は南極冠といって、火星の南極にある氷やドライアイスが白く見えているものです。火星の中に黒っぽい模様が見えていますが、右端の大きな黒い部分が大シルチス、そこから左側にチュレニーの海、キンメリア人の海と続いています。火星表面ではもっとも模様がはっきりしている部分です。

 テラ・ドーム81p反射望遠鏡+ビデオカメラで撮影
2003年3月20日の木星
 テラ・ドームの81p反射望遠鏡にビデオカメラを取り付けて撮影した木星です。2本の濃いしま模様が目立ちますね。上側のしま模様の右の方に、オレンジ色のこぶのような部分がありますが、これは「大赤斑(だいせきはん)」といって、木星の大気が渦巻いている台風のようなものです。木星は直径が地球の約11倍ありますので、この台風だけで地球の直径の倍ほどあることになります。

 テラ・ドーム81p反射望遠鏡+ビデオカメラで撮影
2003年3月20日の土星
 テラ・ドームの81p反射望遠鏡にビデオカメラを取り付けて撮影した土星です。土星の輪は、地球と土星の位置関係によって、開いて見えたり、細くなったりします。今年は土星の輪が最も開いた形で、あんまり土星らしい姿ではありませんね。天体観望会でも、「目玉みたい」とか、「豚の鼻みたい」という子どもたちの感想が聞こえてきます。

 テラ・ドーム81p反射望遠鏡+ビデオカメラで撮影
木星
 木星は、太陽系最大の惑星で、直径は地球の約11倍もあります。木星は太陽と同じガスのかたまりで、望遠鏡ではガスに浮かぶ雲を見ていることになります。雲は白っぽいところと茶色っぽいところの縞模様になっています。上側の縞模様の真ん中あたりには、赤い目玉のようなものがありますが、これは「大赤斑」といって、木星の大気が渦巻いているところです。木星は約10時間という短い自転周期ですので、まん丸ではなく、少しつぶれたミカンのような形をしています。
 テラ・ドーム81p反射望遠鏡カセグレン焦点(Fl=12,000mm F=15)
 カラーCCDビデオカメラで撮影
土星
 りっぱな輪を持つ土星は、望遠鏡で見たい星ナンバーワンではないでしょうか。テラ・ドームの観望会でも、いつもリクエストが入ります。ビデオではなかなか見たとおりには写りませんが、手前を通っている輪の影が本体に映っているようすや、輪の向こう側に、土星本体の影が映っているようすも何とかわかりますね。
 テラ・ドーム81p反射望遠鏡カセグレン焦点(Fl=12,000mm F=15)
 カラーCCDビデオカメラで撮影
LINEAR彗星(C/1999 S4)
 昨年9月末、アメリカにあるリンカーン研究所が行っている地球接近小惑星の探査で、新彗星が発見されました。発見当初は17等級と非常に暗かったのですが、その後の軌道計算で、2000年の7月末に地球に近づき、3〜4等級まで明るくなり、肉眼でも見える可能性があることがわかりました。画像は、2000年3月7日の夕方に撮影したものですが、すでに左上方向に伸びる尾が見えています。
 テラ・ドーム81p反射望遠鏡ニュートン焦点(Fl=4,000mm F=5)
 CCD1600 冷却CCDカメラで6分露出(3分×2)
金星の満ち欠け
 明けの明星、宵の明星として有名な金星。金星はとても明るいため、望遠鏡を使うと昼間でも簡単に見ることができます。金星は、地球の一つ内側を回る地球の姉妹の星ですが、太陽の光を受けて光っているため、地球との位置関係で、月のように満ち欠けをしながら大きさも変えていきます。
 テラ・ドーム81p反射望遠鏡カセグレン焦点(Fl=12,000mm F=15)
 カラーCCDビデオカメラで撮影
太陽から噴き上げるプロミネンス
 地球と太陽の間の距離は、約1億5千万qです。もしも新幹線のぞみで行こうとすると、約60年もかかってしまう距離です。その距離を隔てても地球に光と熱の恵みを与えてくれるのですからすごいですね。太陽を形作る水素が出す光だけを通すフィルターを通して見ると、活発に活動しているようすがよくわかります。特に、太陽の縁から噴き上げるプロミネンスは、地球の何十倍もの大きさがあり、迫力があります。
 テラ・ドーム15p屈折望遠鏡(Fl=1050mm F=7)+Hαフィルター
 FUJI Super-G ACE800 1秒露出
プロミネンス

 11年周期で活動を強めたり弱めたりする太陽ですが、極小期が近づいてきて最近はおとなしく、黒点や見応えのあるプロミネンスがほとんど現れない状態が続いていました。
 久々に大きなプロミネンスが出ていたので、写真を撮りました。
 テラ・ドーム15p屈折望遠鏡+Daystarフィルター
 デジタルカメラでコリメート撮影
ループ状のプロミネンス

 2005年9月8日、西脇周辺は台風一過の青空が広がりました。天文台の公開の時に、太陽に望遠鏡を向けてみると、きれいなループ状のプロミネンスが出ていたので、公開が終わった後、デジタルカメラで撮影してみました。
 こんなにきれいにループ状になったプロミネンスを見るのは久しぶりです。

 テラ・ドーム15p屈折望遠鏡+Daystarフィルター
 デジタルカメラでコリメート撮影


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